近年のストレス社会の中で、軽症うつ病が若年化するとともに、10人に2〜3人が一生に一度は「うつ」を経験するまでに増加してきています。また高齢社会の中でボケや老年うつ病も増加してます。残念ながら「自分で治さなければ」と無理されてる方や「年だから仕方がない」と諦めている方がまだ多いようです。
しかし、これらの病気や悩みも、早期に診断と治療を受ける事で驚くほど早く良くなり、QOLを改善し、明るく楽しい毎日を送っていただく事ができます。
 心の病気の多くは、薬物治療だけではなく、患者さん自身の変化・成長によって軽快・治癒していくと言っても過言ではありません。しかし、その際に専門科の援助は必要です。
 当院で働いている精神保健福祉士は、患者さんたちの経済的な問題や福祉的な処遇等に関して親身に相談にのってくれます。当クリニックにおいては、スタッフたちもそれぞれの職分において専門の知識を十分に発揮して、皆様からのご相談に応えていきます。当院は、そのような皆さんのための心のホームドクターを目指しております。お気軽にご相談ください。
うつ病
●“うつ病”はとても一般的な病気です
 その“うつ病”とはどんな病気でしょうか?実は“うつ病”はとても一般的な病気なのです。
 たとえば、皆さんの中に、あるいは皆さんの周りに「夜ぐっすり眠れない。朝起きても疲れがとれていない」あるいは逆に「寝すぎてしまって、朝起きられない」、「出勤(登校)するのが億劫だ」、「頭の回転が悪くなり、頭がうまくはたらかない。集中力がない」、「物事を悪い方悪い方に考えてしまう。憂うつだ」、「疲れやすい。体がだるい」、「食欲がない」あるいは逆に「過食してしまう」などという症状を訴え、元気がなくて、イライラしている方はいませんか?
 そのような症状を訴える方の多くは、多かれ少なかれ“うつ病”の状態に陥っていると考えられます。
●いろいろな病気の陰にも“うつ病”は隠れています
 うつ病は、「頭痛」、「肩こり」、「腰痛」、「めまい」、「動悸」あるいは「手足がしびれる」、「体が熱くなったり寒くなったりする」、「微熱が続く」などの身体の症状を伴うことが多く、「胃痛、吐き気」、「下痢や便秘をくりかえす」などの胃腸症状を伴うこともあります。
 このような身体症状が出るために“更年期障害”や“自律神経失調症”などと診断されがちですが、治療していて症状が改善しないときは“うつ病”を疑ってみてください。
●薬物治療と十分な休息が必要です
 うつ病はいわば“電池切れ”の状態ですから、十分に休息をとって“充電”することが大切です。
 また、つらい症状を治して快適な日常生活を送るためには、「抗うつ薬」を主体とする薬物治療がとても効果的です。この2〜3年の間に、副作用が少なく安心して使える新しい抗うつ薬も何種類か発売されました。
 うつ病になる人は、「怠けているのだ」と自分を責めたり、焦ったりして、ついつい無理をしてしまうという悪循環に陥ってしまいがちですが、自分一人で悩まずに早めに受診・相談することをおすすめします。